XCE エリミネーター世界選手権

今はベルギーに全国高体連自転車競技専門部の選抜選手団の欧州遠征事業にコーチとして参加しており、約2週間滞在しています。ジュニアクラスの高校生を対象にベルギーで2週間、約6レースを回るアテンドをさせてもらってます。そんな中、XCE世界選手権に無理を言って出場させて頂きました。XCEの全日本チャンピオンにならせて頂いた後、4年前にベルギーで出場させて頂いたCityMountainbike主催者から「おい、チャンピオンになったから世界選手権出るだろ!?」とメッセージが届き、「無理無理~、遠いし~」っていうと、「8月15日にWaregemでやるよ!」とのこと。ワレヘムってあのワレヘム?めっちゃ近所。それに8月15日はベルギーに滞在している最中じゃないか!え、出れるの?まさかのタイミング!?ってことで、連盟に事情を説明し、急遽参戦させて頂くことになりました。僕のレースの日に高校生たちもレースがあったけど、その日だけ自分のために行動させてもらいました。みんなごめんね。

まぁでも、バタバタとしながら、気が付くとレース当日。セクションごとは4年前と同じで同じセクションを解体して開催地ごとに使い回しているようだった。コースは1周約400m。市街地で行うので100%コンクリート。スタートして長い直線、バーム、軽いジャンプを挟み、階段を下りて地下駐車場へ。ストレートを挟み、階段のぼり。そしてキャニオンがあり、ヘアピンを回って最後の直線、これで1周。時折、雨が降る怪しい天気だったけれど、試走は予定よりも長く20分の予定が1時間半もコースオープンしてくれた。

試走。ホームストレート前の簡単なステップアップ。

試走を開始。初めの数周は様子見。空気圧のチェックやその他セクションに身体をならしていく。階段上りは土嚢がおいてあり、2レーンに分かれてのぼるようになっていた。階段の角の衝撃は感じにくいものの、視覚的に、本能的に、、どうも本気で勢いをつけてセクションに突っ込むことが出来ず、苦戦した。周回を重ねるごとに進入スピードを上げていったけれど、ヘッドとステムへの衝撃とリアホイールへの衝撃が大きくて機材を壊さないかとても怖かった。

試走中。ここは下り階段と登り階段の間の地下駐車場ストレート

更に4年前にも感じたけれど、キャニオンが癖がある形をしていて、慣れるのに少し数周を要した。縦の動きが多いので初めの数周は下手っぴだったけど、周回を重ねるごとに角が取れていき、良い動きが出来た。ダラダラと何周も走っても仕方ないので身体の動きのいいラップを刻めた後は試走を終え、早めに身体を休ませた。

予選ウォーミングアップ

予選は25人出走。トーナメントへ進めるのは32人なのでこの時点で予選通過は決定。しかし、より良いトーナメントの組み合わせで進みたいので予選は全力で頑張った。スタートからの1コーナーのバームが滑らないかビビり、階段上りセクションではレースだからと意気込み過ぎてバイクを壊す恐れがあったので焦りながらも慎重に、、、すると、ちょっと遅すぎたようで、頂上での失速が響いた。

予選の階段上り

結果、25人中21位で予選を終えた。分かってはいたものの少し残念な結果だった。スタートのかかりも他のライダーに比べて遅いし、バームのプッシュも悪かった。おまけに階段上りは失速し過ぎてしまい、そのあとの踏み直しがかなり必要だった。4年前の時の顔なじみの選手も多かったが、皆動きや踏み方が特化しているように見え、そりゃ専門的にやり続けてたらそうなるよねと思った。

予選ゴール

第1ヒート。僕は第5組で予選5位、12位、21位の選手での3人出走のグループだった。予選結果を踏まえ、他の2人に比べ劣勢だけど、2周目からのレースとしての部分で勝負するしかないなと思った。スタートの踏み方も各選手を見て参考にし、ギヤを少し重めにし、伸びを重視してスタートすることにした。

スタートラインに並び、レーススタート。いいスタートが切れ、2番手争いに30センチほど競り負け、3位で1コーナーに入る。順調にセクションをこなすも1周目の最終コーナーで2番手選手がリアタイヤを滑らせ、彼が落車するかと思って避けるマージンを取るために少し踏みやめたが、それのおかげで少し差が付き、ホームストレートで前の2人に追いつくのでやっとだった。

第1ヒート1周目のキャニオン

そして、2周目、抜くパートがないので確実にいかなくちゃいかなかったけど、階段の下りで力み過ぎてしまい、リアを激しく着地させてしまう。転倒はしなかったが、少し動揺してしまい、続く階段上りセクションではバイクが壊れないかなど不安がよぎり、リズムよく登れず、失速。キャニオンへのアプローチも失敗し、最終コーナーに入るころには前と5mほど離れ、ぼくの動きを完全に見ながら合わせられていたのでスプリントする気にすらなれず、ホームストレートは流してゴールした。3位でゴール。第1ヒート敗退決定。

第1ヒートの階段下り。3番目を走る切れ端が僕。

決勝トーナメントも終え、結果は予選と同じで25人中21位で世界選手権を終えた。

僕が走った第1ヒートの組はミスする選手がいなく、手堅い組に当たってしまった。更にやはり、高強度の踏み方が他選手に比べ劣っていて、レース中もパワーで負けるなら技術で勝負したかったけれど、コーナーでインにさせるパートもなく、ファステストラインが通常ラインで崩しようがなく完全にお手上げ状態だった。階段の上りセクションも1段目から2段目にかけてのプッシュをどうすればいいかと考えていたけど、そこはスピードに任せて飛べばよかったのかと後から他選手の走りを見てわかった。縦の動きに対する想像のキャパが低かった。土嚢一つ分の幅で綺麗に飛ぶ必要があったけど、この辺りはBMXだなと思う。

XCEの全日本選手権で勝たせてもらい、それでも今のXCEに対してなんちゃってな状態で簡単に世界で通用しないのはわかっていたけれど、4年前より競技が特化していて、前は余裕で勝てた選手も上手になっていて負けたし、予想よりもはるかに通用しないのは残念だった。しかし、各選手の動き、パワーの出し方を自分と比較して直接見れたのはとてもいい収穫だった。僕よりも遅かった選手がこう変わるのかと思うと、想像しやすいしやる気にもなれた。来年も挑戦できるかはわからないけれど、XCE用のバイクがあってもいい。BMXでスキルと新しい動きにも挑戦しないと海外では通用しないなと感じた。機材を壊さずにゴール出来たのは良かったけど、安全マージンを取っていたし、予備機材の問題やスタッフとの連携ももう少し うまくできればチャレンジングな走りに挑戦もできたかな。もっと攻めれる部分はあったから悔しくも思う。

世界選手権の次にオランダで行われたXCEワールドカップで僕と第1ヒートを一緒に走った予選12位だった選手が優勝していた。少し嬉しい情報だった。

来年もどういう形で挑戦できるかわからないけれど、楽しみが増えました。応援してくださった皆様、どうもありがとうございました。

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