18‐19シクロクロスシーズンを終えて
竹之内悠個人ブログの方ではシクロクロスシーズンを終えてのブログを投稿させて頂いていたのですが、東洋フレームブログを書かせていただくにあたり、あまり個人的なことを書いてもいけないなという思いもあり、改めてこちらにも機材面のアプローチで投稿をさせて頂きます。
今シーズンは昨シーズン12月から投入したオレンジ号の兄弟号であるレッド号を10月の欧州遠征から投入し、レッドとオレンジの2台体制でシーズンに挑んでいました。元々、レッド号は昨シーズンの12月にオレンジ号と同じタイミングでレース現場へ投入する予定だったのですが、クローム塗装の課題解決のため、約1年寝かせての現場投入でした。手っ取り早い話、ある意味一年ほったらかして?焦らして?からの現場投入だったのでこのレッド号にはとにかく手を焼かされました。まず、そもそも、このレッド号が完成し、産声を上げたのは欧州遠征出発前夜の22時。その後、欧州へ渡り、転戦し始めるもこんなことあるのかってほど、レッド号はグズッてしまって、フレームとしてのトラブルはないものの、アッセンブル系の、例えば変速の調子も定まらない等、各部細々としたトラブルがほぼ1週間おきに起きて、10月のヨーロッパ遠征は各部修理やメンテナンスを続けていました。そんなバイクだから、オレンジ号ばかりレース現場でも1号車扱いで投入し、レッド号とは少し溝ができていました。
しかし、10月の遠征が終わり、帰国してから、石垣代表から使用しているシクロクロス車のフロントシングル化の提案をされ、僕の中で機材に対してマンネリ化していた部分もあったのでその提案を即受け入れました。でも、シクロクロスでは初の試みで、過去に650Bのマウンテンバイクでフロントシングル化したときは東洋フレーム独特の後ろ三角のしなりの影響で問題が起きたため、2台ともフロントシングル化はせず、レッド号のみシングルにし、即実戦投入しました。
当初の考えでは泥つまり等に対してのアプローチかなという漠然とした考えがあったのですが、フロントをシングルにすることで変速ロスが減るのが一番のアドバンテージであるとわかり、更に煮詰めるためにレッド号を乗り続けました。
11月‐12月の全日本選手権を含む日本のレースでの転戦を終え、ヨーロッパへ戻り、またレースを転戦していきました。このころには身体も少し疲れがみえてきた反面、身体が疲れているからこそピュアに自転車と向き合え、ヨーロッパの路面やレーススピード、環境に対して、機材をどうアプローチさせようかと再考していた時期でこのころにはレッド号とは仲良しになり、1号車扱いでレースにバンバン投入しました。しかし、この時期のレースは泥が多くなり、レース中に機材交換を行うため、2台ともほぼフル稼働でした。そんな中でもレッド号は少し気にかけておかないとすぐにへそを曲げるので常に手を焼きましたが、シーズン終盤にかけては僕のパフォーマンスの向上に合わせて、良い形で良い方向へ導いてくれたように思います。
オレンジ号とレッド号の二台は僕自身が乗るディスク仕様シクロクロスバイクの3代目にあたり、初代から随時細々とアップデートされていて、3代目になり、遂にジオメトリーはロードポジションと全く同じ乗り方ができるようになっています。けれど、それで乗りこなせるかどうかは僕の問題で今まで僕の中にあったシクロクロスバイクの概念を崩してバイクに対してアプローチしてます。そのため、今でも乗りにくいと思う場面は多々あるけれど、ヨーロッパのコースでどこで差が生まれるのか、速いとは、ということを考えた結果、今のジオメトリーでよかったと思うし、このバイクをもっと乗りこなさないといけないなと思います。今季でもまだまだまバイクに乗れていなくて、試行錯誤のシーズンでした。
あと、今季大活躍したのはChallengeTiresのCHICANEでした。もうこれさえあれば問題なしで、ちょい泥までは全レースCHICANEを使用させて頂きました。シーズン当初はSETA仕様で走っていたのですが、僕が一人でヨーロッパで転戦し、タイヤへの負担も考えるとTeamEditionの方が乗り味はSETAに比べ落ちるけれど耐久性があるので、シーズン中盤から随時変更、張替えてもらい、シーズン終盤はTeamEditionで全パターンのタイヤを統一させ、レースに参戦しました。このタイヤは日本のようなコースレイアウトパターンにもピッタリだと思うので、おすすめです。
常に考えることはどうすれば速くなるのか、、今年もシーズンを通して回り道もしつつ考えたけれど、結果は去年のシーズン終了時と同じでした。できないことをできるように、乗れないものを乗れるように、また一年、来季もまた次のステップに向かってトライしていきたいです。
そして、各車との思い出ができ、今シーズンもフレームのトラブルはなく、シーズン最後まで走らせてもらえたことに感謝です。