Berencross Meulebeke UCI2 ベルギー UCIレース シクロクロス

ベルギー入りして、第2戦目。

UCI2クラス、滞在している西フランドル地方のMeulebekeという街の公園で行われる大会。UCI2クラスといっても、もちろんテレビ中継が入る規模。ベルギーオランダのトップ選手はもちろん参加し、初戦のスーパープレステージと選手のレベルは変わらない。ただ、UCI1クラスとUCI2クラスではコース設定レベルに差がでる。UCI2クラスは簡単で走りやすいし、選手の完走率も高く、僕レベルのアマチュア選手の出走率も高いので、スーパープレステージ等のハイレベルレースよりパック(小集団)でレースを展開しやすく、幾分気楽にレースができる。

例年参加させていただいている大会で、今年で4度目の出場。今年もレース前は多くの人が僕に声をかけてくれた。竹之内悠ファンクラブのみんなもレースに応援に来てくれていた。コースはコンパクトで細かいカーブが多く、日本のようなコースなので、得意なコースといえる。去年はぎりぎりフルラップで走り切り、29位のトップと4分半ほどの差でゴールしている。今年はその成績より確実に上にいける自信があった。

試走時はドライコンディションだったのでスリックタイヤを選択、しかし、レース1時間前から雨が降り出した。雨脚が弱かったので、そのままスリックタイヤでスタートしようと思った。けれど、メカニックのランジットが結構雨が強いから、タイフーン(セミドライタイヤ)に交換を勧めてきた。スリックタイヤでスタートしようと思ってたけど、保険をかけて、ランジットの提案通りにタイヤをタイフーンにチェンジ。自分の逸る気持ちにブレーキをかけたかった。

スタートは重要だと思っていた。コースは抜きどころが少なく、踏んでいける箇所も限られているので、序盤でできるだけ前のパックで展開したかった。

スタートはかなりよく決まり、トラブルもなく進める。スタートしてすぐの芝のセクションに入った途端、1コーナーに一人はスリップダウンで落車していた。雨脚が強くなり、芝が相当滑るようになっていた。落車を回避しつつ、グリップを探りつつバイクをコントロール。タイヤ選択はレース前のランジットの提案を受け入れて正解だった。順位もかなりよく、20位前半でレースを進める。半周ほどしたところのサンドセクションに入る。前方の選手達は乗車したままでは通過できないのでバイクを降りていた。前方の選手を見て、僕も早めにバイクを降りた。

バイクを降り、ランし始めた際に後ろから何かが僕の左ふくらはぎ上部に当たった。その瞬間、左脚のひざ下の感覚がなくなる。あまりの痛さと無感覚な左足に崩れ落ちて転倒しそうになるも、なんとか足を前に進め、サンドセクションを通過。バイクに乗ったら今度は足首に力が入らず、立ちこぎしてもかかとが垂れ下がる。身体が壊れたと思った。でも、走り続ければどうにかなるか、と諦めずに1周ほどはペースを極端に落とし、脚の様子をみた。少し感覚が戻ってきたので、ペースアップ。レース中盤で雨脚が強くなったのでマッドタイヤを履かせたバイクにピットで交換。しかし、スタッフとの意思疎通がうまくいかず、タイヤ選択が僕の希望とは違い、コースにうまく対応できず。どうしようもなく、そのままレースを進め、マイナス3周でレースを下ろされた。34位/42人。

レース後は痛めた箇所が痛くてまともに歩けず、クールダウンのローラーすらできなかった。いつも日本で僕の身体をケアしてくださってるSato先生に電話し、状況を伝え、原因と解決策を教えていただいた。先生の判断は腓骨神経を強打したことにより、腓骨神経が麻痺したこと、それに伴う炎症で痛みがでているとのこと。

3日間安静にし、リハビリストレッチを毎日続け、今はなんとか普通に自転車に乗れるまでに回復。違和感はまだあるので、無理しすぎずにレースを進めていきたい。

強打した際にあまりに痛く、痛いのに無感覚な脚に異常を感じ、すぐレースをやめようと思ったけど、僕を招待してくれている主催者さんや、僕のことを応援してくれているたくさんの人がいて、その人たちを思うとレースをやめるという選択はできなかった。相当の痛みだったので、今シーズンはこの怪我で終わったかもしれないとも思ったし、最後まで走ろうと決めた。プロの選択ではないかもしれないけど、ぼくは応援してくれている人たちに生かされているので、そう簡単にはレースを降りれない。

すごく気合いの入っていたレースだったし、結果を狙っていけるレースだったと思う。このような結末になったことがとても腹立たしく、レース後は気持ちの整理がうまくできなかった。レースの世界、結果がすべて。結果出して、実力で見返していくしかない。負けられない。