2018 シクロクロス世界選手権 オランダ バルケンブルク

今年も世界選手権が終わった。

好調が故に身体へのダメージの大きさを読み違え、レース当日は走ることで精いっぱいだった。ただただどうすることもなく、淡々と走り、80%ルールで足切りを待っているような走りだった。

世界選手権一週間前にようやく身体が好調になり、不安要素がなくなった。しかし、ルクフェンとホーガヘイデの2連戦後の身体のダメージは自身の想像を超えていた。連戦後の月曜日は自分でも疲労を感じ、世界選手権一週間前までにいかに疲労を抜くべきかと考えた。風邪もひきそうなくらい免疫も落ちていた。世界選手権前1週間は予定では、火曜日、水曜日といつものトレーニングルーティンをこなし、木曜日、金曜日とリカバリーに当て、土曜日で刺激を入れ、日曜日にレース。それがベストに思えた。火曜日は予定通りにトレーニングをこなすことができたが、水曜日は起床後からとても身体が重く、天候も悪かったため、トレーニング予定を縮小し、ランのみのトレーニングを行うことにした。トレーニング中に脹脛に疲労と痛みを感じていたが疲労からくるものだと思い、あまり気にしなかったし、ランのペースも好調だった。ランのトレーニングを終え、帰宅。いつものごとくクタクタだったが、脹脛だけが妙に痛かった。しかし、いつものラン後の疲労だろうと大して気にしなかった。

この水曜日のトレーニングを読み違えた。朝に疲労を感じたならおとなしくリカバリーに充てるべきだった。世界選手権のコースは例年ワールドカップで走り、知っていた。ランが厳しいコースなので、せめてランをして体に刺激を入れておきたかったと思ったが、身体が耐えれなかった。このトレーニングで脹脛が極度に疲労してしまい、歩くときにつま先で蹴ることができなくなった。木曜日、金曜日、土曜日、とリカバリーに充てたがレース当日まで脹脛の疲労からくる痛みが残り続け、上手に歩けず、レース当日も脹脛の痛みがとれなかった。レース前日の朝になっても痛みが抜けなかったので自分の身体が異常な状態だと理解した。もう騒いでも仕方ないのでリカバリー中は普通に振る舞い、そのかわりマッサージやストレッチの量は二倍に増やしていた。それでもどうにもならなかった。

コースも悪天候のために泥が深くなり、ランせざるを得ない区間が多くなり、脹脛にかかる負担が多く、レースは本当にどうしようもなかった。

レースはスタートし、始めの半周は乗車区間が多くて良かったが、ラン区間が始まるとつま先でうまく蹴れないため、途端に失速し、後方に後退。そのあとはただ痛い両足を引きずるように走り続けた。

レース時間40分、マイナス4周の54位でレースを終えた。

悔しい。

どうも噛み合えない。好調なときにいつも何かが起きる。毎回失敗を勉強し、修正している。例年の僕なら水曜日のトレーニングを縮小させず、疲労してても雨でもトレーニングはルーティンでこなしていたと思う。しかし、それをすると身体がおかしくなると勉強したし、だからこそ世界選手権前なので、大事をとってトレーニングを縮小した。でも、それでも足らなかった。身体の疲労に対する脳の捉え方の基準がおかしくなってしまっているのかなと思えてくる。こんな楽なトレーニングでいいはずがない、それが常にあるため、どうもオーバーワーク気味になる。正直、休むほうが辛い。

この日、一緒に走った小坂光選手は僕の一つ前のマイナス4周、53位でレースを終えている。

日本ナショナルチームとして今回は参加し、同様に東洋フレームの鬼頭メカニックも参加していた。今年の世界選手権が彼の目にはどのように映ったのか。今年も日本ナショナルチームに関わった東洋フレームとしても竹之内悠個人としても、これからをまた考えていきたい。

Photos by @nobuhikotanabe