竹之内悠仕様 HYBRID CX-D プロトタイプ

まず、いかがですか。このバイク。

2017-2018シーズン開始時に既にこのバイクとは別の新型Hybrid CX-Dプロトバイクを導入していたのですが、僕としてはバイクの進み方が気に入らなくてずっとご紹介出来てませんでした。ご紹介したかったのですがバイクに対しずっと違和感があり、そのバイクの進み方の違和感について製作側と話し合い、原因がわかりました。再度仕様変更を行ったこのバイクを準備していただき、前回の200回記念の関西シクロクロス マイアミランド大会でシェイクダウンを行い、問題がないことを確認し、ヨーロッパの後半の遠征で本格導入します。

まず、トップチューブとダウンパイプのカラーが気になりますよね。いつもカラーは僕自身で決めます、今回の場合なら、キャンディーオレンジがいい!と。僕の色のイメージはお伝えし、そこからあとの細かいところは、Paint Art Fabさんにお任せです。そして、キャンディータンジェリンに塗装されてきました。僕のような素人にはオレンジという表現ですが、、この色はキャンディータンジェリンだそうです。約10回は塗り重ねてるとのこと。納得の深みです。そしてロゴ、ネームロゴ共にこだわってデカールを使わず「キャンディーグラデーション」で仕上げてもらいました。

更にフロントフォークはマーブル塗装。ここは僕の指定ではなく、製作側からのサプライズです。僕も出来上がって初めて知りました。このマーブルもオレンジとイエローを組み合わせ、マーブルのみで三回塗り重ね、そこからクリアで仕上げてます。とても深みのある色でPaint Art Fabさんの力作だそうです!それも外側はマーブル、内側はキャンディータンジェリン、その境界は抜きでフォークのカーボン地を見せるようにライン上に色を抜いてます。

また、フレームのクローム部分はハンドルやステムでお馴染みの株式会社 日東さんにお願いし、ダルメッキを試作で施工してもらいました。今回のように東洋フレームで皆さんにお届けするクロームの質を上げていくために、僕のバイクは毎回様々な会社さんでの施工やクロームをのせるための方法を試し、品質向上のためのテストと実戦下でのテストを行ってます。

さて、ここまでの塗装代で約30万円ほどです。Hybrid CX-Dのオーダーフレームが51万円ほどですので、フレーム価格で約80万円税抜きの仕様です。

 

その他、このフレームで試作している部分をご紹介。

まず、グラファイトデザインさんのカーボンのパイプを仕様変更しました。前回のバイクではトップチューブ、ダウンチューブ共にM40Jを仕様していましたが、ジオメトリーもややスローピングに変更されていた関係もあり、あまりに硬い乗り味で路面からの突き上げが強すぎました。そこで今回は製作側からの提案でトップチューブのみT800に変更。M40Jよりも柔らかいカーボンを使うことで前三角部分からくる突き上げをトップチューブに逃がす、という仕様に。これが大成功で、路面の凹凸からくる身体への入力がだいぶ減りました。

更にリア三角部も前回のプロトバイクから曲げや潰しも変更。僕は、前のバイクのリア三角から伝わる動きが気に入らなくて、どうにか進むようにならないかバイクポジションを何度も変更したりして試行錯誤したけれど、今回のバイクはリア三角はそんな必要がない。リア三角が魚のように動き、且つ芯がしっかりしているので飛ぶように走る。今回のプロトバイクの一番の味だと思っている。

そして、リアディレーラーをシマノさんが新たに進めるダイレクトマウント式を採用。ワンオフでこのプロトマウントを試作しています。今回の欧州遠征で新たにテストしている点で、僕としては問題が起きないか心配してます。選手としては、新たな仕様は実戦での信頼性があるか、すごく気になる点です。

シートポストはグラファイトデザインのカーボンパイプを使用した東洋フレームオリジナルのシートポストです。シートポストもフレームの一部です。このパイプはとても強度あり、締め付けもきつく行えます。トルク管理が大変なカーボンシートポストの場合、トルクが緩すぎてシートが下がる、または強すぎてパイプが割れる、などが発生しやすいです。選手としてはレース中に絶対に破損しない、サドルが下がらない、そして適度な乗り味を求めてます。このシートポストは7月のマウンテンバイクシーズンから実践投入し、シクロクロスシーズンも前回のプロトバイクから使用し続けてますが問題はゼロ。また、やぐら部もよくできていて、サドルの前後への移動調整と角度調整がほぼ独立して行える。また、角度調整をしても、サドル前後位置がほぼ変わらない。この点はとても大きなポイントになってます。ポジション調整は僕はとても細かく行っているので、このシートポストはこれからの僕のマストアイテムです。パイプ部もグラファイトデザイン製ですので、好みや体格に合わせたパイプ変更も行えます。

そして、バーテープはSupacazのStarfade neon orengeを合わせ、ホイールセットはFFWD社製のF3D。

タイヤは今期より東洋フレームで取り扱いを始めたChallengeTiresのCHICANE SETA。僕は乗れる人やある程度体重のある方はSETAをお勧めします。TeamEditionより割高ですが、その分、タイヤに深みがあり、同じ空気圧でもタイヤの潰し方によった幅が広がります。タイヤトレッドはお好みでどうぞ。僕のお気に入りはCHICANEです。シクロクロスタイヤの場合、空気圧を下げるとタイヤ面全てが地面と接地した状態になり、このCHICANEのサイドノブもバイクをまっすぐにした状態でも地面と接地します。なので、トラクションがかかりにくい路面でもノブが地面に当たり、トラクションを稼げ、またタイヤサイドにノブがあるため、バイクを傾けてもしっかりと支えてくれます。どうしてもスピードを上げないとグリップは下がりますが、、おすすめです。

今回の僕のバイク仕様の完成車状態で約150万円ほど。同じ仕様のバイクをお求め頂けます。これは走り続けれるバイクです。僕が使用して不具合がなく、更にハードなレースシーンでバイクのトラブルがなく使用し続けれているということはシクロクロスレースを知る人ほど、どういうことかわかると思います。なぜ僕がヨーロッパでも一人でずっとレースを走り続けられるか、それは東洋フレームであることが一つの大きなポイントです。

シーズン後半のこのバイクの活躍がとても楽しみです。