コルトレイククルス Kortrijkkoerse 2018

8月17日、過去に二回出場したことのあるコルトレイククルスに参加した。

8月に2週間ほどジュニア選手の若手育成事業のお手伝いでベルギーに渡欧した。その滞在中に滞在先であるKortrijkでプロクリテリウムが開催され、冬のシクロクロスの遠征でお世話になっている現地スポンサー企業の社長が「ぜひコルトレイククルスに出てくれ!」と連絡があり、出場した。

誰でもエントリーすれば出れるわけではなく、主催者側の判断で出場できるかどうかは決められる。今年は参加者を30人にまで絞られていた。選手はプロツアー選手が約10人、プロコンチネンタルチームとコンチネンタルチームの選手が約15人、あとの5人ほどはアマチュアか僕のような特別枠の選手という大体の振り分けだった。

今年のレースの目玉は、今年のツールドフランス覇者のゲラントトーマス選手、そして、2017ジロデイタリア覇者のトムデュムラン選手が走ること。ゲラントトーマス選手においては、今年のツールドフランス後、初のベルギーでのマイヨジョーヌのお披露目ということで、観客が大勢集まり、会場はすごい熱気だった。

コースは約2kmほどを40周する、約90kmのレース。あくまでもショーレースの域を出ないけれど、平均スピードはそれなりに高く、位置取り争いや逃げのタイミングを巡るなんとなくの勘はレースそのもの。僕としては、現地スポンサーの意向通りに出場するけれど、観客に僕の存在を知ってもらうために何としても目立たないといけない。これはこの日の課題だったし、スポンサーさんにも喜んでもらいたい。そして、研修事業で一緒にベルギーに来ていたジュニアの選手たちにも楽しんでもらえるレースをしたかった。

レースはパレードのようにスタートし、一気に加速する。以前に出場した時とコースレイアウトが変わり、軽い石畳区間が組み込まれていた。石畳後の加速が集団が伸びるので程度踏まないとおいていかれそうだった。出場選手が30人と少ないけれど、その分、集団がアクティブで序盤から逃げが出来た。各選手、脚並みを揃え、逃げのタイミングも秩序が保たれる。僕としては、できるだけ長い時間逃げを容認されるタイミングで逃げたかった。そうすれば露出が増え、僕の名前がアナウンスされる。そうなれば全てがオールOK。

1つ目の逃げは見送る。各選手逃げたいので集団がどうしても活性化する。2つ目の逃げも見送る。と、いうのも、各選手1つ目を逃した選手が焦っていたので2つ目の逃げも容認されずらいと思えた。そして、僕は3つ目の逃げに乗って5人で前に出た。これが大当たりで、本大会中、一番長い時間逃げさせてもらえた。

最後は集団に追いつかれ、18位でゴール。最後のゴールスプリントはなんだかんだ疲れてしまって全然もがけなかった。

レース後、約10周ちょっとほど逃げれ、会場で名前を何回もコールされ、テレビにも結構映っていたようだった。スタッフもスポンサーさんも大喜びだった。僕は役目を果たせて一安心だった。

研修事業で一緒にきていた高校生たちにもベルギーのレースの世界の華やかな一部分を一歩踏み込んだ形で見せることができ、僕としては嬉しかった。皆にも楽しんでもらえていたなら嬉しい。