2021XCE全日本選手権/千葉公園
今年もUrbanMTBFestivalとして、都会の街中、千葉公園にてXCEの全日本選手権が行われた。
東洋フレームとしてはブース出展も行い、竹之内悠のサポートを行った。ロードで好調なシーズンを過ごしていた小森亮平は体調不良のため、残念ながらDNS。本人のレポートは下記より。
XCEとXCCの全日本選手権が今年も千葉公園で行われた。
現在の身体の調子は脛の炎症のコントロールが行えず、行き当たりばったりのトレーニングしか行えていないのでパフォーマンスを積み重ねることができていない。しかし、その分、自転車の乗り方や身体の使い方を考え続け、より丁寧に自転車と身体に向き合えるようになったので脛の影響で全てが悪くなったわけでもなく、向き合うことでまた新たな発見をしている。しかし、絶対的にトレーニング量が減っているので身体的パフォーマンスだけは誤魔化せない。不安しかないが、今できることをやり切ろうと考えた。
XCEの試走のため、前日に会場入りし、コースを確認。去年のコースより明らかに世界を意識したコースになっていて、縦の動きが多くなっていた。ロックセクションのドロップオフ、新設置されたステップアップ系のジャンプ台。ほかには木の根の処理が難しいロックセクション前の鋭角のコーナー。そこらをどう処理するかがキーポイントだった。
まず、木の根はどのサイドからも走れるように意識した。速さをとるか、ブロックをとるか。展開に応じて使い分けの必要な低速コーナーだったので、どのパターンでも走れるように意識した。
ロックセクションは勢いよくいけばロックセクションを全て飛んでいくことができたが、落差があるフラット着地でカーボンホイルとフレーム、そして身体へのダメージがとても大きかった。機材を壊す恐れがあったし、脛の患部への負荷もでかかったので2,3回飛んで、あとは飛ばずにエスケープも含め、どのラインでも走れるように走り込み、そこからコンスタントにこなせるラインを定めた。
問題はステップアップのジャンプ台。チーム東洋のスースーさんに「ビビってんのか、ピヨピヨ~~笑」と言われたからには飛ぶしかなかった。笑)今、僕のバイクはドロッパーシートも日本では必要性がないなと思って取り外しているし、ハンドルの高さもXCO仕様のまま。飛べるかな、、と何度もリップの立ち上がりを確認して、飛距離とバックサイドへの着地をイメージした。その間に同ジャンプ台で他選手がフレームを折ったり、救急車に運ばれたり、みんな散っていっていた。他人は他人と割り切り、自分のジャンプのイメージに集中して何度もリップを確認し、結構自然と飛びやすい形だなぁと思ったけど、それが故にクロカンポジションだと飛び出しでケツがまくられてフロント下がりで吹っ飛ぶと思ったのでスピード調整も必要、且つ、飛距離、高さ。うーん、とビビりつつも、武者震いの中、なんとか試走時間終盤で成功。一度の成功を身体に擦り込むために、そのままペースを上げて止まることなく周回を重ねて連続で飛び、飛ぶ当たり前を身体に植え付けた。ジャンプに高さが欲しかったけど、クロカンポジションで踏み切り過ぎるとフロント着地になり過ぎる不安があったので、低いけど高く遠く?をイメージして飛んだ。
たまたまサドルをXCOより2㎜高めにセットしていたが、そのおかげでダンシングやジャンプのアプローチが行いやすく、サドル高調整もしたが2㎜下げると漕ぎやすかったがハンドルと身体の関係性がズレてジャンプがうまくコントロールできなかったので、高めのままレースを行うことにした。
レース当日の試走の段階でジャンプ台のエスケープが増やされ、且つ、速いエスケープになっていた。しょうがないのでエスケープの練習も行い、ジャンプの練習も復習がてら軽くした。
予選、1周回のタイム計測。レースを意識して、ロックセクションのドロップオフも岩をなめていくのではなく全部飛び、ジャンプも飛んでタイムがどう出るか見ようと決めた。スタートのミスや1周を通してスピードに乗り切れなかったこともあったが、予選タイムは16位。恐らく大半の選手がエスケープでタイムが自分より速く、レースで競っている中でのジャンプ台進入のスピードコントロールやバイクコントロール、エスケープの方が速いというプレッシャーの中でジャンプを毎度やり切る自信がなかったのでレースでは、飛ぶ選択は第1候補から外した。ロックセクションも同様だった、着地の衝撃を前に逃がしてスピードに繋げられないので諦めた。
第1ヒート。メンバーは同じく唯一クロカンバイクでジャンプ台をこなしていた松本選手と予選トップタイムのダウンヒラーの永田選手。試走の段階で永田選手の速さは分かっていたし、松本選手のスタートにも敵わない、おまけに二人ともジャンプもできる。スタートで自分では差し切れないはずだから、2人のどちらかをどこかでパスしないといけないと考えるとスタートから気が重かった。ジャンプでパスするか、エスケープか、コーナーか、、抜きどころをイメージした。4人の内、2人が次ヒートへ進出できる。
スタートし、予想通り2人に負けて3番手で第1コーナーへ。1位永田選手、2位松本選手。二人の走りを後ろから追い、隙を見る。2人とも少し大回りで木の根の低速コーナーへ進入したので、その隙をついて一気にバイクをインに滑り込ませ、2位だった松本選手をなんとかパス。そこからは逃げ切るしかないのでとにかく必死に漕ぎ続けて、2位でゴール。1位の永田選手とバイクが違い過ぎるのか、速いポイントと遅いポイントが微妙にズレて所々タイミングが合わなかったけど、後ろから見ているとすごく綺麗で総じて吸い込まれるように走りやすかった。今思えばこの第1ヒートがメンツ含めて、大難関だった。
第2ヒート。メンバー的にはまたスタートがキーポイントだった。何番で走れたかよく覚えてないけど、たしか2位で1周目を展開し、2周目のコーナーの繋ぎ?で永田選手をパスしてトップに出て、あとは最後まで必死に走り切り、トップ通過。
準決勝。スタートして、1コーナーで競り負けて3位でレースを展開。しかし、先ほどのレースで転倒した永田選手のパフォーマンスが下がっていたので直線でパスさせてもらい、最後はジャンプ台のエスケープの差し違いでまたトップ通過。
そして、決勝。ここまで来たら勝ちたい。スタート位置は1コーナーに対して、4人の中で一番外側。スタートグリッドを選ぶ権利がなかった、ここにきて予選タイムの遅さが響いた。1コーナーで大外から被せて一気に2,3番手にはつきたい。スタートして、、もちろんみんな速いので大外からだいぶブレーキを遅らせて前にいこうとしたけど、インの選手にアウトよりに潰され、立ち上がりで遅れる。その後、追いつきかけるも脚が売り切れ状態で、パフォーマンス不足が露呈した。決勝らしく、スピード勝負になっていて、つけ入る隙どころか、スタートの1コーナーの遅れが響いた。2周目は残念ながら一人遅れた形でこなし、4位でレースを終えた。最後、ゴール前にジャンプ台で飛んでカッコつければよかったのに、しんどくて頭が回らず、普通にエスケープを通ってゆっくりゴールして、ゴール直後にハッと気づき、4位と合わせて自分に残念だと悔いるゴールだった。。
しかしながら、今のパフォーマンスで決勝まで残れると思ってなかったので、去年より意外と良いレースが出来て嬉しかった。全日本選手権だし、メダルには簡単には届かなかったけど、見せ所を作れたのでまぁよかったのかなぁと納得するように努めた。1コーナーの処理をもっと上手にできなかったのか、、、ジャンプ台を使わないならもう少し走ることに意識したポジションへの変更をするべきだった、、など、あとから悔しさがいくつも湧いた。
決勝後は身体が急にしんどくなり、かなりグロッキーでした、、笑)キラキラが口から出るかと思いました。ゆっくり休んで、翌日のXCCに備えました。