2017 スーパープレスティージュ(スーパープレステージ)開幕戦 Gieten
10月1日、僕自身の本格的なシクロクロスシーズンがヨーロッパで開幕。
スーパープレステージ開幕戦、Gieten。
今年も去年に引き続き、スーパープレステージと全戦契約。全戦契約するということは、スーパープレステージ全戦に参戦しなければいけないけれど、それは日本人である僕が全日本選手権を含めスケジュールの調整ができない点があるので、今年はその点を考慮した契約をさせていただいた。期待されているのか、キャラクターとして面白いのか、とにかく前代未聞の契約内容だと思う。今年のゼッケンナンバーは22。全契約選手は名誉なことにゼッケンに国籍と名前が入る。去年初めてこのゼッケンを受け取った時はとても感慨深く感じたが今年も頂いた時は更に特別な気持ちになった。
Gietenに参加するのは去年に引き続き二回目。タイトスケジュールだったけれど、スーパープレステージ開幕戦のGietenに参加することは絶対条件であるように思えて、無理にでも参加した。拠点のベルギーから5時間かけ移動、前日にオランダGieten入りした。
コースは長いアスファルトも含む直線がスタート後に二か所、そのあとは湖畔のサンドセクションを挟みながらのアップダウンの繰り返し。前日の試走では、気温が15度ほどの中、風雨が激しく、思い描くような試走をできなかった。渡欧直後ということもあり、自身の感覚がどこまで正しいか信用できないし、コースの違いや天候、気温、全てが違うので、バイクのセットアップにしても深くは考えないようにする。
チャイナクロスのときのバイクを進ませる感覚があまりに鮮烈に身体に刻まれ、新しいバイクとのちぐはぐさを新しいものとして自分にどう落とし込むかに苦労した。コースやレベルは世界一レベル。なので、その環境にも飲み込まれていくのに必死に耐えた。あくまで、今まで信じてやってきたことをこの舞台でも正確にこなしていくだけ。堂々と。
朝からバイクのセットアップを繰り返し、コースの試走は4周した。前日とは大きく天候も変わり、晴れて、気温も上がった。コースは前日の雨の影響でマッドセクションと砂の組み合わせとなったけれど、バイクに付着する汚れは少なく、レース中のバイク交換は必須ではないように感じた。サンドセクションも前日の雨のおかげで濡れて湿っていたので砂が締まって走りやすかった。試走ではバイクは渡欧直後なので持参した2台共に使用した、これはレース中のトラブルを事前に防ぐため。
スーパープレステージでは33人という少ない参加者のうち90%はプロチーム。目標としてはその日のメンバーによるけど、だいたい25位以内。そこから大きく世界が変わるポイント。ヨーロッパ基準でのプロとアマチュアの境目。
レース。スタート位置は最後尾。ベルギーを中心に世界で選ばれた選手のみなので、当然の位置。スタートは落ち着いてこなし、大きなトラブルもなく、一周を終える。パックが徐々に形成されていき、僕は目の前の25位前後のパックから遅れ、オランダ人のパトリックと二人のパック。彼と二人でレースを進めた、が、僕は彼の前でペースを作れたのは一周のみで、それ以外は彼の後ろ10mほどをついたり離れたりしながら走るのが精一杯だった。
レースが進むにつれ、ペースが落ち込み、トップ選手が後ろから追い付いてくるのがわかる。フルラップでの完走が厳しいことがわかり始めるが、それでもペースは最大限に保つ。だが、ラスト2周のところでUCI80%ルールにより、レースをおろされた。レースできたのは50分ほどだった。28位。
photo by Kurt van hout
去年は40分ほどしかできなかったこのレースで、少しは満足のいく走りだった。バイクの進ませ方や伸びが悪かった。その辺をどうにかしないともう一つ前のパックで走れない。思い当たる節はあるので改善していきたい。40秒ほど前を25位前後のパックがずっと等間隔で走っていた。序盤でもう少しスピードに乗せれば、そのパックに合流でき、そこからはプロの世界。そして、レースができているといえるフルラップの世界。そのラインはコースによって変わってくるが、このショートコースのGietenでフルラップでゴールしたかった。惜しかった、今年はそう言える。去年よりも確実にステップアップはしているし、もう少しで手が届く。
これから先、ヨーロッパでのレースが続くが、自分で自分が楽しみだ。