サイズ展開の意味
自転車の上で長い時間快適に過ごすには、言うまでもなく身体に合ったフレーム選びが必要不可欠だ。
不適当なサイズの自転車は、ある程度までは許容できるとはいえパフォーマンスの低下や体の故障を招く。
フレームのジオメトリは自転車の根源的な部分を司る要素だ。
製品をデザインするもの・生産するもの・個人個人の思いやノウハウ、
そういった多くの要素によって、さらに様々なロジックが構築され自転車のフレームを形作っている。
それは時に、ターゲットとする人々の身体的特徴や製造者の志向によって、使用者との間に溝を作ってしまう。
洋服も自転車も、国や地域が異なれば各部の寸法に求められる適正な数値は異なってくる。
いずれか一つの要素を基準としても、身長と股下の割合、絶対的な身長、肩幅と腕の長さの割合、体格的特徴…、そういった要素をカバーすることは難しい。
あなたの腕の長さが海外メーカーの『M』だとしても、足の長さまで同じ『M』とは限らないのだ。
東洋フレームのカタログモデルの主要なサイズ展開は、5サイズある。
一見特殊なサイズ展開とジオメトリに感じるかもしれない。
XLで180cmまでという設定は、海外モデルではありえないことだろう。
一方で日本人男性の平均身長である170cm付近では、大げさに言えばS~XLまで選択肢として含められる展開となっている。
身体のサイズが違うそれぞれの地域で、自転車の各部の寸法が同じとは、普通に考えればありえることではない。
東洋フレームが考える製品の価値とは、如何に使い手のことを考えたものが作れるかである。