2021シクロクロス全日本選手権in土浦【竹之内選手レポート】

シクロクロス全日本選手権、エリート男子カテゴリーには東洋フレームから竹之内悠と小森亮平が参戦。その中から竹之内悠のレポートを紹介する。
その他選手の戦績やレポートは、別記事にまとめています

全日本選手権に対して、今年は意気込んでいた。もう怪我に振り回されるのにも飽きたし、心が躍らない。何か自信になる結果が欲しい。しかし、9月にクロスに向けてランの練習をしなければとラントレーニングを再開させるも、やはり、それは患部への負荷が大きくて筋膜炎を発症させてしまい、それからは、9月ー10月とあまり思い描いた通りにトレーニングができなかった。元から思い描いたトレーニングはここ数年できてないのだけど、。それでも、10月に少しずつトレーニング量を増やしていき、11月にはある程度形になってきた。しかし、マウンテンバイク系との身体のマッチをさせるだけの身体的余裕がなくて、レースの結果はあまり振るわず、どうしようもないのでレースもスキップさせた。全日本選手権に向けパフォーマンスを仕上げる時間がなく、一日一日が貴重だった。全日本選手権一週間前には自身が出来る最高の状態に持ってこれていたが、またもや全日本4日前に負荷のかけ過ぎで不安要素を増やしてしまい、レース当日までは徹底したリカバリーを行い、なんとか形に出来た。でも、自分の中では自身のコンディショニングを管理しきれず、トレーニング内容を見誤った時点で、全日本でいい勝負ができても勝つことは出来ないと正直わかった。この4日前の日は本当に悔しくて、その日はもうどうしようもない気持ちでいっぱいだった。いつもは、しょうがない、となんでも流すようにしているけど、これだけはもう悔いた。またか、、、という気持ちでいっぱい。とはいえ、レース。その場その場で最良の選択を行っていき、最後まで何が起こるわからない、今できることをやり切るしかない。

会場には金曜日入りし、会場付近を亮平と軽くRide。コースはチラッと横目に見たが、細かいコーナーが多くて観戦しやすそうだけど、走る側には少々窮屈そうなコースに見えた。試走するまではわからないので、深く考えずに翌日の試走に備える。

レース前日、試走。試走開始直後は混み合うので受付など済ませて、集中して試走を開始。セクションごとに流れを活かして走れないので、マイペースで深く考えずにコースのリズムを捉えた。カーブ数が多く、わかりづらいので何周もしないと頭に入ってこなかった。タイヤはCHICANEの1.5Bar。翌日のコースの状況にもよるが、試走時間の最後に1周だけBABY LIMUSで。この日の所々にある薄い泥の状況ではBABY LIMUSの選択が最良に思えた。

レース当日の試走。BABY LIMUS1.5Barで試走開始するも、前日よりコースがドライになっていたので、CHICANE1.5Barに変更。シケインはランでいくと決めていたが、聖とのシケインでのスピード差を見て、この状況なら飛べるなら飛ばないとだめだなと思い、シケイン区間だけ飛ぶ練習を4周ほど。4回ぐらいで精度が上がったので、あとはレース中の流れ次第と決めた。もちろん、飛んだ方がランしなくていいので筋膜炎への負荷が減り、レース後半まで確実に走れるので、その選択を行いたかった。

©MakotoAYANO/Cyclowored

サクッとアップして、スタートラインへ。そしてスタート。なぜかドンピシャでスタートが決まった。

ホールショットは無理して攻めず、時に譲り、レースの流れを見る。4人パックになり、レースを進めた。レースを先頭で進めるだけの余裕はなかった。

©MakotoAYANO/Cyclowored
©MakotoAYANO/Cyclowored
©MakotoAYANO/Cyclowored

時がチェーン落ちで先頭集団から脱落、聖がそれを見てペースアップ。そのペースアップについていけず、単独3位。はじめのうちは5秒前後で前の2人を追っていたが、徐々に離された。最後の2周は脚がいっぱいいっぱいで踏み切れなかった。

©MakotoAYANO/Cyclowored

ラスト一周で聖が失速して、ゴールスプリント風にゴールになだれ込んだが、僕もキレがなく、3位のままでゴール。

去年のことを思えば、身体との付き合い方も上手になり、だいぶまともに走れるようになった。そこから勝つというところまでの意識の飛躍と準備にまでは至らなかった。スーパーマンのようになんでも出来る訳でないし、怪我からの回復のステップとしては最高な結果だったようにも思うし、喜ばないといけないことだとも思う。ただ、本当の意味でレースで勝負しきれる状態に持っていけた流れを崩してしまったのが悔しい。

©MakotoAYANO/Cyclowored

今は疲労と回復のリズムを見間違えば、自転車に乗れなくなる状態なので、ここの見極めが本当に難しい。トレーニングするだけなら簡単、追い込めばいいならどんだけでも追い込んでいける。その気持ちを抑えて、今の身体の求めるリズムに合わせないといけない。

©MakotoAYANO/Cyclowored

優勝したヒカル、そして聖と時も勝つための動きをしていた。僕はそれがまだできなかったのが3位という結果でした。また来年良いレースを見せれるようにこの一年精進します。

photo by井上様

たくさんの応援、どうもありがとうございました。