ブレーキ
Toyoのシクロクロスモデルは全てカンチブレーキ仕様となっている。
これらに対しては、カンチブレーキを『選択』している。
東洋フレームはディスクを扱わない?
いや、むしろディスクブレーキとの関わりは、非常に長い。
MTBにおいても近年までディスクブレーキはいわゆる「オモチャ」扱いを受けていた。
そう、黎明期のシフターやサスペンションと同じように。
そのような中で、世界を相手して、例えディスクブレーキが自分達の1台だけであったとしても、
レースへ投入する程度は思い入れと長い付き合いがある。
単純に「制動力」や「耐候性」という点で考えた時、現状ではディスクブレーキはベストな選択といえる。
しかし、シクロクロスにおいて必要な物は何かを考えた時、まだカンチブレーキの可能性を捨てきることはできないだろう。
ディスクブレーキを採用するということは、当たり前だがそれに伴ってドロップアウトやフレームを変更する必要がある。
強度を出すという行為は、少なからずフレームの硬さという方向に顕現する。
それを剛性と呼ぶのは安易だ。
しかし、単純な強度はフレームの重要な要素として東洋が力を入れているリア三角の機能を殺してしまう。
シクロクロスで求められるフレーム機能とは、いかにデリケートであることか。
折角のライダーの積み重ねてきた研鑽を、ブレーキのフォーマットで台無しにしてしまうことはあってはならない。
考えぬかれたフレームと、その全てに適正な準備と処置がされたカンチブレーキに、果たして足りないものがあるのだろうか。
もちろん一般的なユーザーに、その全てをベストな状態にキープすることは容易ではない。
それでも、本当のシクロクロスバイクとはこうあるべきだという形の一つが、私達の製品である。
…とは言え、それで終わらせてしまうわけでもないのだが…。